今回はPC起動時にブルーバックエラー(BSoD)が繰り返し発生するというお預かり事例をご紹介します。難しかったのは、数百万円規模のアプリケーションが多数インストールされており、データとシステム環境を完全保持したまま修復するという条件が課せられていた点です。初期化・リカバリは一切不可という前提での作業です。
目次
- 症状:起動するたびにブルーバック(BSoD)が発生
- まず現状保全:クローンHDDを2台作成
- 診断:不良セクタ469箇所、原因はシステム領域への侵食
- 難点:XP+Windows 7のデュアルブート構成
- さらなる難点:AFT HDDにXPがアライメント未調整でインストール
- 修復作業:MFT・ブートセクタ修復とアライメント調整
- 結果と教訓
症状:起動するたびにブルーバックが発生
ブルーバックエラー(Blue Screen of Death / BSoD)とは、Windowsが致命的なエラーを検知した際に表示される青い画面のことです。今回は毎回必ず発生する状態で、実質的に使用不能でした。
- HDD/SSDの物理障害・不良セクタ
- Windowsシステムファイルの破損
- ドライバーの不具合
- メモリ(RAM)の故障
- マルウェア感染
今回はHDDの物理障害が根本原因でした。
まず現状保全:クローンHDDを2台作成
高額なソフトウェア資産を守るため、作業開始前に現状保全用・修理作業用の2台のクローンHDDを作成しました。データ復旧・システム修復の際の鉄則です。

クローン作成中の様子
診断:不良セクタ469箇所、原因はシステム領域への侵食
クローンHDDをディスク診断ツールで解析した結果、不良セクタ(Bad Sector)が469箇所確認されました。Windowsの起動に必要なシステムファイル領域にまで不良セクタが及んでいたためBSoDが発生していました。
難点:XP+Windows 7のデュアルブート構成
クローンHDDから起動して確認したところ、このPCはWindows XPとWindows 7のデュアルブート環境でした。

起動時のOS選択画面
XPを選択すると確かにBSoDが発生しました。

XP起動時のBSoD
Windows 7は正常起動していたため、XP固有の構成に問題があると絞り込めました。
さらなる難点:AFT HDDにXPがアライメント未調整でインストール
使用HDDはAFT(Advanced Format Technology)対応品でしたが、Windows XPはアライメント調整なしでインストールされていました。
| 項目 | 旧規格(非AFT) | AFT |
|---|---|---|
| 物理セクタサイズ | 512バイト | 4096バイト(4KB) |
| Windows XPとの相性 | ◎ 問題なし | △ アライメント調整が必要 |
| 未調整の場合の影響 | なし | パフォーマンス低下・不安定・BSoD |
修復作業:MFT・ブートセクタ修復とアライメント調整
- MFT(マスターファイルテーブル)の修復:ファイルの場所情報を修復
- ブートセクタの修復:OS起動に必要な先頭領域を修復
- アライメント調整:XPのパーティションをAFT規格に合わせて再配置



MFT・ブートセクタ修復作業の様子
結果と教訓
XPが正常に起動できることを確認。アライメント調整も済ませたため、修復前より安定した環境に仕上がりました。アプリケーション・データも完全保持のまま納品できました。
- BSoDが繰り返す場合、最初に疑うべきはHDDの物理障害
- 修復作業前に必ずクローンを取る(2台推奨)
- AFT HDDにWindows XPをインストールする際はアライメント調整が必須
- 不良セクタが増加傾向にあるHDDは早めの交換を検討する
