RK1ステップワゴンに非対応カーナビを取り付けた実例|準備・配線・取付の注意点

RK1ステップワゴンに、適合情報上は非対応だったKENWOODの9インチカーナビ「MDV-M906HDL」を取り付けた実例です。

もともとは「準備編」と「取付編」に分けて公開していた内容ですが、この記事では機種選定、必要部品、フェイスパネル加工、配線、MOPマルチビューカメラシステムの流用までを1本にまとめます。

作業前の注意

この記事は2019年当時の実作業記録をもとに再編集したものです。車両の年式・グレード・装備内容・ナビ型番により、必要部品や配線方法は変わります。作業前には必ず車両側とナビ側の配線図、適合情報、電源仕様を確認してください。

目次

今回取り付けた車両とカーナビ

今回の車両は、ホンダ ステップワゴン RK1です。もともとはメーカーオプションのマルチビューカメラシステム連動純正カーナビが装着されていました。

今回の条件は「どうしても大画面を組み込みたい」ということで、インダッシュ9インチ以上のカーナビを前提に機種を選定しました。

dav

純正オプションには9インチナビの設定があるため、車両側として9インチサイズを収める余地はあります。ただし、純正ナビはBluetoothのハンズフリー待ち受けが2台同時にできないこと、マップ更新が面倒なこと、動画再生に対応していないことなどから、今回は社外ナビへの換装を前提としました。

当初はカロッツェリアやストラーダも候補でした。特にPanasonicのCN-F1XVDも検討しましたが、実機やレビューを確認すると、液晶パネル支持のヒンジに不安があり、振動でブレて見にくいという情報もありました。また、カタログスペック上は1280×720の解像度があるものの、ナビ画面ではにじみが気になりました。

その後、隣に並んでいたKENWOODの彩速ナビを確認すると、ナビ画面もメニュー画面も非常に繊細で、レスポンスも比較にならないほど速く感じました。そのため、今回はKENWOODの9インチモデル「MDV-M906HDL」を選定しました。

車両 ホンダ ステップワゴン RK1
既存装備 メーカーオプション マルチビューカメラシステム連動純正カーナビ
取付ナビ KENWOOD 彩速ナビ MDV-M906HDL
条件 インダッシュ9インチ以上の大画面ナビ

なぜ「非対応」だったのか

今回選んだKENWOOD MDV-M906HDLは、ステップワゴン RK1の対応車種には入っていませんでした。そのため、通常の適合品のように、車種別キットを用意してそのまま取り付けるという作業ではありません。

非対応となる主な理由は、フェイスパネル、取付金具、奥行き、配線、純正カメラシステムとの接続などがメーカー側で確認されていないためです。特に今回の車両は、メーカーオプションのマルチビューカメラシステムを搭載しているため、単純なナビ交換では純正カメラ機能を活かせない可能性がありました。

ポイント

「非対応」と記載されている場合でも、物理的・電気的に絶対取り付けできないとは限りません。ただし、部品調達、加工、配線確認が必要になるため、通常のナビ交換より難易度は上がります。

事前に確認したこと

作業前に確認したのは、9インチナビを収めるためのパネル、取付金具、変換ハーネス、アンテナ変換、ステアリングリモコン、そしてMOPマルチビューカメラシステムの扱いです。

既設のフェイスパネルは7インチまでしか取り付けできません。そのため、9インチナビを収めるには、純正9インチナビ用のフェイスパネルを用意する必要があります。

確認項目 確認内容
ナビ本体 KENWOOD MDV-M906HDLが物理的に収まるか
フェイスパネル 7インチ用ではなく、純正9インチ用パネルを使用する
取付金具 9インチ用純正取付金具を使用する
電源・スピーカー RK系ステップワゴン用の純正ハーネス変換キットを使用する
ラジオアンテナ 特殊形状のためCEアンテナ変換ケーブルを用意する
ステアリングリモコン KENWOOD用の変換アダプタを使用する
MOPマルチビュー 純正ユニットの映像出力を取り出して流用する

必要だった部品・変換ハーネス

9インチナビ取付にあたり、まず必要になるのが純正9インチ用フェイスパネルです。

9インチ用純正フェイスパネル。純正品番は08B40-SZW-R10Aです。

使用したフェイスパネルの純正品番は以下です。

9インチ用純正フェイスパネル 08B40-SZW-R10A
スパーダ用フェイスパネル 08B40-SZW-R20A

もう一つ必要になるのが、このパネル専用の取付金具です。

9インチ用純正取付金具。純正品番は08B40-SZW-S00Dです。
9インチ用純正取付金具 08B40-SZW-S00D

そのほかに必要なものは以下です。

  • 純正ハーネスを変換する配線キット(ホンダ ステップワゴンRKシリーズ用。メーカーは問わず)
  • ラジオアンテナのCEアンテナ変換ケーブル(参考:JunstFit品番 KJ-H025E)
  • ステアリングリモコン接続用の変換アダプタ(参考:KENWOOD純正品番 KNA-300EX)
  • RCA入力用のKENWOOD AVプリアウト拡張ケーブル KNA-17AV
  • 映像信号の分配に使うRCA分配部材
  • 配線保護・絶縁用のテープ、端子類
  • パネル上部の隙間を埋めるためのクッション材やアクリル板など
  • 切り欠き部の仕上げに使うモールなど

部品選定の考え方

車両側の純正配線はできるだけ切断せず、変換ハーネスや変換アダプタを使って接続します。復旧性とメンテナンス性を考えると、加工箇所は最小限に抑えた方が安全です。

パネル・取付位置の確認

今回の作業で大きなポイントになるのが、純正9インチ用フェイスパネルの加工です。

純正フェイスパネル 08B40-SZW-R10A のナビ両側部分を、エッジぎりぎりまで切り欠きます。旧記事では赤枠で囲んだ部分を切り欠き箇所として説明していました。

RK1ステップワゴン用フェイスパネルの切り欠き箇所
フェイスパネルのナビ両側部分を、エッジぎりぎりまで切り欠きます。

切り欠くことで、ちょうどナビの幅と合うようになります。あとは取付金具を取り付けてナビを固定します。

ただし、一般的なナビ取付方法と異なり、フェイスパネルごとナビを差し込む構造になるため、通常の社外ナビ交換とは少し考え方が違います。

フェイスパネルごとナビを差し込むような構造になります。

ナビ上部には隙間が生まれます。そのため、クッション材を挟んだ上にアクリルボードを被せるなど、何らかの方法で隙間を処理する必要があります。下部はそのままでも特に違和感は少ない印象でした。

今回は、切り欠いたエッジ部分をモールで装飾しています。

取付金具について

旧記事へのコメント回答では、取付金具自体は切断などの加工はしておらず、高さや奥行きを計算してビス穴を開けた程度だったと記載していました。

配線時に注意したポイント

通常の電源、スピーカー、ラジオアンテナ、ステアリングリモコンまわりは、純正ハーネス変換キット、アンテナ変換アダプタ、ステアリングリモコン変換アダプタで接続できます。

ただし、ハンズフリー用のステアリングスイッチは入力できません。ステアリングリモコンを流用する場合でも、すべてのボタンや機能がそのまま使えるとは限らない点に注意が必要です。

GPSアンテナはコネクタ形状が同じだったため、純正流用が可能でした。一方、ETCはそのままではナビ連動流用不可です。ナビ連動させたい場合は、対応品への交換が必要です。

注意

配線色だけで判断するのは危険です。車種・年式・装備内容によって配線仕様が異なる可能性があります。必ず配線図やテスターで確認してください。

実際の取付作業

フェイスパネルの切り欠きと取付金具の位置合わせを行ったうえで、MDV-M906HDLを固定していきます。

この時点で、電源・スピーカー・アンテナ・ステアリングリモコンなど、一般的なナビ接続部分は変換キットを使って接続します。

問題になるのは、メーカーオプションのマルチビューカメラシステムです。社外ナビに交換すると、純正ナビのようにマルチビューカメラユニットへ映像切り替え信号を出すことができません。そのため、接続前に必ず純正ナビ側で設定しておくべき項目があります。

必ず純正ナビ装着状態で設定すること

フロントビューを活かすため、接続前に純正ナビの設定メニューから「後退から前進時のカメラ自動表示」を「する」に設定しておきます。これを行わないと、社外ナビから純正マルチビューカメラユニットへの映像切り替え信号が出ないため、リア映像しか表示されなくなります。

今回は、4つのカメラを単独で使用することはほとんどなく、フロントメインのマルチビューとリアメインのマルチビューが使えればよいという考え方で接続しました。

MDV-M906HDLには都合よくフロント入力とリア入力があります。そのため、純正のマルチビューカメラシステムユニットをそのまま流用し、その映像出力をナビへ入力する構成にしました。

RCAで入力するために使用したKENWOOD AVプリアウト拡張ケーブル KNA-17AV。

RCAで入力するには、KENWOOD純正のAVプリアウト拡張ケーブル KNA-17AV が必要です。

シフトレバーのRとDに連動して、純正のマルチビューカメラユニットがカメラの切り替えを行います。そのため、ユニットからの映像出力信号を拾い出し、2分配したうえで、MDV-M906HDLのリア入力とフロント入力に接続します。

動作確認した内容

マルチビューカメラユニットからの映像取り出しは、ナビ側カプラから行いました。

rhdr
位置 配線色 内容
写真上段左から5番目 若葉 マルチビューカメラユニットのグランド
写真上段左から6番目 マルチビューカメラユニットの映像信号

上記の2本から映像を取り出し、MDV-M906HDL側のフロント入力・リア入力へ分配して接続します。

dav
dav

純正ユニットを活かしたままの構成なので、フロントビューは15km/h程度まで映像出力を続けます。さらにMDV-M906HDL側も、20km/h程度まで加速するまではフロントビューを維持してくれました。

ガイド線はナビ側の設定で調整します。純正ユニット側のガイド線と多少重なりますが、実用上は大きく気にならない程度でした。

確認項目 確認内容
ナビ起動 ACCオンでMDV-M906HDLが起動するか
音声出力 各スピーカーから正常に音が出るか
GPS 純正GPSアンテナを流用して測位できるか
ステアリングリモコン KNA-300EX経由で必要な操作ができるか
リアビュー Rレンジでリアメインのマルチビューが表示されるか
フロントビュー Dレンジ移行後にフロントメインのマルチビューが表示されるか
ガイド線 ナビ側で表示位置を調整できるか
パネル収まり 切り欠き部、上部隙間、操作時の干渉を確認

取り付け後に分かった注意点

7インチナビのころと違い、9インチの大画面ではマルチビュー表示でも画面が小さくて見づらいという印象はかなり減りました。フロントメイン、リアメインのマルチビューを実用的に確認できます。

一方で、今回のような非対応ナビの取付では、純正機能をすべて完全に再現できるわけではありません。ハンズフリー用のステアリングスイッチが入力できないこと、ETC連動がそのままでは使えないことなど、割り切りが必要な部分もあります。

また、パネル上部の隙間処理や切り欠き部の仕上げなど、見た目の調整も必要です。今回は切り欠いたエッジ部分をモールで装飾しましたが、仕上がりを重視する場合は、クッション材やアクリル板などを使って丁寧に処理した方がよいです。

個人的に大きなメリットだったのは、MDV-M906HDLの動画再生性能です。ナビでSDカードに保存した動画を再生する使い方をしていましたが、カロッツェリアやストラーダでは、仕様上は再生できそうなフォーマットでも、ビットレートや解像度の調整に苦労することがありました。

彩速ナビでは、MP4形式でHD画質までであれば、エンコードに苦労せず比較的すんなり再生できました。HOME画面で情報表示、ナビ画面、AV画面が3つ同時に表示される点も使いやすいポイントでした。

非対応ナビを取り付ける場合のリスク

非対応ナビの取付は、希望する機種を流用できる反面、通常の適合品取付よりリスクが高くなります。

リスク 内容
加工が必要 フェイスパネルの切り欠きや、固定位置の調整が必要になる場合があります。
一部機能が使えない ハンズフリー用ステアリングスイッチ、ETC連動などがそのまま使えない場合があります。
純正カメラ連動が複雑 MOPマルチビューカメラシステムは、映像信号の取り出しや事前設定が必要です。
メーカー保証外 適合外の組み合わせでは、ナビメーカーや販売店のサポート対象外になる可能性があります。
復旧が難しくなる パネル加工や配線加工を行うと、純正状態への復旧が難しくなる場合があります。

今回のように取り付けできるケースもありますが、非対応ナビは「付くかどうか」だけでなく、「どの機能を残すか」「どこまで純正機能を流用するか」「将来の復旧性をどう確保するか」まで考えて進める必要があります。

まとめ

RK1ステップワゴンにKENWOOD MDV-M906HDLを取り付けるには、純正9インチ用フェイスパネル、専用取付金具、各種変換ハーネス、そしてMOPマルチビューカメラシステムへの対応が必要でした。

今回のポイントをまとめると、以下の通りです。

  • 取付ナビはKENWOOD MDV-M906HDL
  • 純正9インチ用フェイスパネルは08B40-SZW-R10Aを使用
  • スパーダ用フェイスパネルは08B40-SZW-R20A
  • 9インチ用純正取付金具は08B40-SZW-S00D
  • ラジオアンテナ変換はCEアンテナ変換ケーブルを使用
  • 参考品番としてJunstFit KJ-H025Eを確認
  • ステアリングリモコン変換にはKENWOOD KNA-300EXを使用
  • RCA入力にはKENWOOD KNA-17AVを使用
  • MOPマルチビュー映像はナビ側カプラから取り出し
  • 上段左から5番目の若葉線がグランド
  • 上段左から6番目の桃線が映像信号
  • 純正ナビ装着時に「後退から前進時のカメラ自動表示」を「する」に設定しておく

適合外の9インチナビ取付は簡単ではありませんが、事前確認と部品選定、配線確認を丁寧に行えば、純正マルチビューカメラシステムを活かしながら社外ナビ化できる場合があります。

ただし、車両電装は誤配線や加工ミスによるトラブルも起こり得ます。不安がある場合は、車両電装やカーナビ取付に対応できる業者へ相談することをおすすめします。

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この記事を書いた人

1991年、親に購入してもらったPC-9801DX2と、説明書に記載されていたN88-BASICのトランプのサンプルコードをきっかけにITの世界へ入る。1996年にはLinux環境下でNetscapeを用いたインターネット接続を経験し、HTMLに関心を広げ、初めてのWebサイトを作成。MS-DOSからWindows、Mac、Linuxまで、OSの変遷とともに現場経験を蓄積し、2001年にPCサポート事業を創業。以来25年以上にわたり、地域企業のITインフラを支えている。

現在は、PC・ネットワーク・サーバーなどのITインフラ構築に加え、電気工事士として電気回路の設計・施工、空調工事まで幅広く対応。ソフト・ハードの論理的な課題解決から、配線・電源・空調といった物理的インフラ整備までを一貫して担う。

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